建設業の花形であり続ける鳶職の歴史とは



いくつもの高層ビルが立ち並ぶ東京の街。

高層ビルの間をぬうように高速道路が通るなど、建物や交通インフラがしっかり整備されている様は、誰がどう見ても大都会でしょう。


その街を作ってきたのは、建設業の花形であり続ける鳶職人たちです。


文明を作りだし、形にして人々の生活を豊かにし続ける鳶職は、いったいいつごろ生まれ、どのように形を変えてきたのでしょうか。そしてこれからはどのように姿を変えていくのでしょう。


今回は鳶職の歴史と未来についてご紹介します。




■「鳶」という言葉は江戸時代に生まれた




江戸時代には職人と呼ばれる商業が140種類以上ありました。


なかでも花形だったのが大工と左官、そして鳶です。

江戸の環境を整備し、どんどん人の暮らしのレベルを上げていく彼らは「華の三職」と、もてはやされました。


なかでも鳶は特に老若男女問わずたいへんな人気がありました。

その理由は今の消防士である「火消し」という仕事を引き受けていたからです。


派手な衣装を着て消火活動に当たり、颯爽と帰ってくるさまは、まさに国民のヒーロー。

「火事と喧嘩は江戸の華」とよく言いますが、まさに鳶職はあらゆる職人のなかでも花形の職業だったのです。


なお、このとき家の梁を軽々と飛び回って日を消す様子から、鳥の「トンビ」にちなんで「鳶」と名付けられました。




■時代とともに進化する作業道具や足場




いま考えると驚きなのですが、当時の鳶職人たちは木造で作られた足場の上で作業をしていました。


それから現代まで足場を組みたてる技術や材料の生産技術は進化していき、今では鋼管や鋼材を使った頑丈な足場を使って作業に臨んでいます。


また足場の組み方も進化し、次世代足場と呼ばれる組み方が出てきたことで、江戸時代や明治時代では考えられないほどの耐久性を持つ足場を組めるようになりました。


もちろん職人の事故率も大幅に減少。昔に比べて格段に安全な仕事となったのです。



■鳶職は未来までずっと残る仕事




こうして現代まで鳶は、建設業の花形として、またあらゆる人から愛される職人として、少しずつ形を変えながらも活躍を続けてきました。


しかし現在、世界中でICTやIoT、AI、ロボティクスなどの言葉が盛んに交わされるようになり、2025年には現在ある職業のうち約半分が機械に取って代わられるともいわれています。



建設業界にも機械化の波はたしかに忍び寄っています。


特に土木工事の業界はすでにICTを活用した技術が進出していて、もともとは何年もかけて技術を積み重ねてこそできることがたった3日で習得できてしまったり、設計や測量などをすべてデジタル化したり、ドローンを導入することで人が働く必要が無くなったり、江戸時代から現代にかけて足場の形が変わったように、働き方が変わり始めているのです。



しかし安心してください。

鳶の仕事は消えません。なぜなら鳶の仕事はクリエイティブだから。


1つひとつの現場や気候条件などに合わせて、進めるべき作業は変わります。同じ作業を繰り返しすることはありません。


ICTやAIなどは、規則的なことは覚えられますが、こうした柔軟性はないのです。


このことはあらゆるメディアでもいわれており、まわりの仕事が消えていくなかで鳶職の需要は今後ますます上昇するだろうという予測もあります。


また2020年に東京五輪を控えた日本において、鳶職は特に求められていると言っても過言ではないでしょう。鳶の経験を積むなら今が狙い目です。




■これからも建設業の花形として活躍し続ける鳶職


「鳶職」が生まれた江戸時代から現代まで鳶職の仕事は大きな変化を遂げました。

しかし建設業の花形としてほかの職人をリードしたいという心意気は変わっていません。


人々の生活をもっと豊かにする、街のヒーローとして経験を積みたい方は東京都墨田区の大場工業までお気軽にご相談ください。


未経験でもかまいません。イチから指導して、立派な鳶職人に育て上げます。